あの人は善と悪 どちらの使だったのだろう?
ここはエデンとソドム どちらの名が刻まれた地なのだろう
あの人が消えた赤い月を眺めながら カードをたぐる
明かりも射さない街の底で 裁きを待ち望んでた私に伸ばされた白い手
再び闘いへと誘うその手を 振り払えなかったのは誘惑の手だったからだろうか?
それとも闘うことしか出来ない私の為に 伸ばされた救済の手だったのだろうか?
一組のカード
退屈しきっていた私に 船の中であの人が初めてくれたもの
すべてを決めてしまうより 任せてしまうことも必要だと読みとれないほど深い目をしながら
自分は愚者 いろんな人に巡り会いながらどこかへ向かう
隠者 戦車 女帝 正義 恋人
巡り会った人は いろんな道を指し示す
けれども あなたをしめすカードが見つからない
ここがどこであるか 解らない
自分を撃つように 隊長に願ったあの人は善の人
願い叶わずに姿を変えた人は 銃口を向けたままの私に微笑みかけた
私の中のものに語りかけるように 審判の時がきたのだと
誘惑に負け 誘惑にのった裁きを受けるときがきたのだと
それでもあの人は善であったと信じていたい
嘆き悲しんでいるみんなの為 彼女らを慰めているだろう隊長のために
ふと止めた手元に残ったカードは 運命の輪
善と悪 自分の目には解らない
けれど
あなたを求める気持ちは 白い使だと声をあげる
裁きを受ける身でありながら エデンであることを祈っている
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