Endless Recorder

2000年11月

11月4日 夢ではない

いつものベッドで眼が覚めて、あなたの眼と声を思い出したら涙が出た。でも、この手が覚えている温もりは、幻影ではないよ。


炎のオーケストラコンサートへ行ってきました。第1部の曲は作品名しか知らないものが多かったけれど、会場のおかげもあってか、身体中に響いてきてすごかったです。第2部、一番の楽しみだった「愛は永久に」は勿論、どれも期待以上で、涙腺が緩んでばかり。そして、何より嬉しかったのは「花咲く乙女」が聴けたこと。本当に、あの旋律は胸に沁みるんですよね。

ほとんどサクラの曲しか知らないファンだけど、公平先生の音楽は大好きです。20周年、誠におめでとうございます。


11月5日 そこにいてくれる理由

私が、他の誰でもない私だから。それが理由だと思い当たってしまった私は、とんでもなく自意識過剰な人間でしょうか?


作品を公開する時やショックなことがあった時など、気が昂ぶっていると動悸が治まらず、食事が喉を通らなくなります。SSの処女作を出した時なんか、心臓ばくばく、胸苦しいことこの上ない状態が完成前から1週間は続き、絶対どうかなってしまうと思ったくらい。

ここのところ、軽めながらまたそんな感じだったんですが、アルバイトに行ってきたせいか、数日振りにちゃんと食事を取れました。(ああ、カンナに怒られそう) 身体も疲れるということが必要なのかもしれません。


11月7日 全身全霊

父親が会社で招待券を貰ってきたので、ローランド・オルガン・フェスティバルへ行ってきました。なんだかこの頃、アクトシティに行く機会が多いなあ。

こういった場で聴いたのは初めてだったんですが、電子オルガンって何でもできるんですね。中でも素晴らしかったのは、ヘクター・オリベラ氏の演奏です。両手両足で弾きながらジェスチャーも交え、実に楽しそうな、心地よさそうな表情を浮かべて……。まさに全身で演奏するオリベラ氏の姿は、本当にすごかったです。

浜松が音楽の街だなんて、メーカーと役所が言っているだけかもしれませんが、近場でこれだけの機会があるのは恵まれているなあと思います。


11月8日 今年もまたこの時期が

昨日の来訪者さん、なぜか普段の倍くらいいらっしゃったんですけど(そうは言っても数十)。1時間以内の同一IPアドレスは弾くようにしているので、結構正確にカウントしているはずなんだけど。……な、何もしでかしてないよなあ。びくびく。

それにしても、こことトップ謎文の更新以外すっかり止まってしまっているのに、コンスタントにお客様が来てくださるのは、ありがたくもあり、申し訳なくもあり。リピーターさんの多くはやっぱり、新作が出ていないかと期待してくれているんだろうなあ。ごめんなさいね。


比べるなんて不遜ですが、SSのお師匠様のサイトに足繁く通っていたことを思い出します。当時は更新チェッカーを使っていなかったので、接続するたびにお邪魔していましたっけ。あまり頻繁に更新される方ではなかったから、すごすごと帰ることが多かったけれど、新作が公開されれば飛びつくように読み、圧倒されてばかりでした。

師匠がサイトを休止されてから2年。一度は投稿作品を更新されたものの、それ以来音沙汰がなくなって1年7ヶ月。すぐにでもアクセスできるように外さないショートカットと、チェッカーの一番下で動かない更新日時。見るたびに寂しいのだけど、外してしまったら本当に終わりが来てしまいそうで、ただ待つことしかできずにいるのです。


11月9日 SERVICE GAME

セガが社名変更したのを忘れていたので、数箇所手直ししておきました。いやはや、本当にこの会社はどうなるのか。

頼むセガ サクラ3までは 持ってくれ (縁起でもない川柳もどき)


11月11日 相思相愛より幸せな片恋

顔が綻ぶ。でも涙が出る。肩を抱き締めた自分の手が、あなたのものだったらいいのに。

肯定することで、ある意味吹っ切れました。ごめんなさい。困らせるだけなのはわかっているけど、嘘はつけない。我が儘を許してください。


11月12日 チケット大戦奮闘記

1回戦、4時過ぎに繋がったものの千秋楽売り切れ。グレー公衆電話よりICカードの方が繋がりやすかった気がする。2回戦(別名Web大戦)、カゴに入れたのに品切れってどういうこと? 今月の電話料金が怖いぞ。

そして3回戦、30分前からローソンで待機したものの(他に使う人すらいなかったけど)、開始直後瞬殺される。

すごすごと帰宅し、第2ラウンドのDDに接続。2回戦の苦い記憶から、はっきり言って全然望みは持っていなかったのに……あれ? 結構進めるじゃない。20分くらいで本当に千秋楽S席を入手! やったっ、最後に勝てました!

そんなわけで、取っていただいたチケットも合わせて、1月5、6、7日と帝都遠征予定。夏はスクーリングでどうなるかわからないからと金銭的にも頑張ってみたのですが、複数回観るのは「ミュージカル花咲く乙女」以来、そして初の千秋楽。……うわぁ、ちょっと興奮気味です。


11月14日 不可逆

宿を探そうとして気がついたんだけど、1月8日は成人式だったんだっけ。すっかり忘れてた(苦笑) 仕方ない、夜行か朝一で帰るか。しっかし、ここじゃ同い年の知人もいないし、私は振り袖なんて着ないし、もしかしてお偉いさんの話を聴きに行くだけ? 旧友のいる生家の地区は7日だから無理。うーん、それでも出席するべきなのかなあ。


情熱は時間と共に薄れてゆくもの。去年も同じ頃にこんなこと書いていたね、私は。でも、それを眼にするのは、本人の口から聴くのは、やっぱり……好きじゃない。ごめんなさい。辛いわけではないのです。嫌悪もありません。まして責めることなんてできません。ただ、寂しくて。

ずっと憧れていたあなたに、違和感を持ち始めたのはいつだったのでしょうか。ずっと追いかけていたあなたと、違う道を行きたがったのはどうしてなのでしょうか。変わったのはあなた? それとも私? こんな疑問に意味はないけど、開いてしまった溝を繋ぐ何かを、探したいのかもしれません。


11月15日 夏の灯の陰で

あなたの怒りはもっともだけど、その矛先の大部分の人は、事実を知る機会さえ満足に与えられていないということ。その機会を取り上げられてしまったということ。

私だって、何も知らなかったらきっと素直にそう感じていただろう。そして、今までそうやって流してきたものの中に、何か大きなものが潜んでいたのではと怖くもある。広く訴えたいのなら、それこそ本家に殴り込むとか方法はあるわけだけど、そんなことはあなたたちの望みではないのだから。

仕方がない。それだけは言いたくない。ではどうすればいいのかと問われても、何も答えられない私は、また謎かけのように呟くのみ。


11月17日 夢を売る仕事

サクラのファンド化、ねえ。そりゃあ商売だもの。お金はたくさん必要だし、利益が出なければ意味がない。でも、サクラGBの時にも強く感じたことだけど、そういう商売臭さやあざとさを表に出してほしくはないわけで。

抵抗を感じるのは、サクラが金持ちのものになってしまうこと。ファンの年齢層は比較的高いとはいえ、小学生ユーザーだっているんだよ。株主特典が大きくなることには恐怖感が強い。

……散々関連商品に踊らされてきたファンが言っても説得力ない? 私ってゲーム批評読者なんてやっていたわりに(過去形)、夢を見たりもしているんだよね。今時小学生だって、ゲームが夢と希望だけで作られているとは思っていないかもしれないけれど、欠片でいいから信じていたい。この気持ち、醒めさせないでよ。


11月18日 無力

この心に嘘はつくまい。でも、それだけじゃ駄目だね。


えっ、証券の話をした特別顧問の香山氏って、あのマリーガル取締役の香山氏と同一人物なの? それはそれは……益々もって反対だなあ(私情入れすぎ?) 本家で反対意見が管理者削除されているのを見てしまったりと、不安は広がるばかり。まさか一般投資家向けではないだろうし。

金巻き上げてやろうって魂胆でも、そうでもしなければ続けられないほど危機的状況なのだとしても、いいものを作ってくれるのならそれでいいじゃないかって、そう思う部分もあるにはある。わかってはいるんだよ、頭では。


11月20日 欲望

「だって、そうせずにはいられなかったんだよ」

何を今更。……そうだね、もう捨てたつもりだった。たとえ、あなたを私のものにすることができたとしても、得られるのは一時の充足とその百倍の後悔だけだと、そうわかっていたはずだった。

悪いのは、再び私の前に現れたあなた。そして、自分を抑えられなかった私。そう理不尽な責任を求めても、何も答えてはくれないあなたに触れる。

ごめんなさい。それは痛みのような後悔でありながら、同時に、戻れないところまできてしまったという甘美な諦め。ごめんなさい。呟くごとに深まるその思いを噛み締めながら、たとえ一時とはいえ満たされた支配欲に身を任せる。その代償には背を向けて。

……以上、ネットオークションでサクラ1トレカフルコンプ衝動買いの言い訳。


11月22日 あなたという匿名

いや別に、20日の文章はあれ以上深読みしなくてよかったんだけど。ちゃんとオチをつけたのに、そう取ってもらえないのは悲しいものがあるぞ。……普段の私のせいだけどさ。

きちんと名前を挙げないのは卑怯な逃げ? でも、そうしなければ書けない思いもたくさんあるわけで。自分を表すことと、プライベートを垂れ流すことはイコールではない。でもそのための手段が、いらない傷や誤解を、そして迷惑を与えてしまっているのなら、それは考え直す必要があるのかもしれない。


11月25日 Web日記

ひとつの理由は、この思いの行き場所がほしいから。

直接は言わないけれど、もしくは言えないけれど、私はあなたに対してこんなことを思っているんだよ。もしあなたが自分から来てくれるのなら、知ってほしい。たとえ限りなく低い可能性でも、たとえあなたに宛てたものだと気づいてもらえなくても。でも私はそれを強要しないし、期待もしない。返答もいらない。だからこそ、ここで書いているのだから。

もうひとつの理由は、ここを見ていてくれる人がいるから。

モニターの向こうに存在する私という人間は、どんな感情を持ちながら生きているのか。もしあなたが知りたいと思ってくれるのなら、伝えたい。果てしないWebの海の中で、作品だけではなく作者にまで興味を持ち、能動的にここへ来てくれる。そんなあなたに、私ができることだから。


どうして誰かへの呼びかけをここで書いているんだろう。結局これも「合わない人は読まないでね」になってしまうんだけど、今の私としてはこんな風にまとまりました。この日記、サイト開設時にはあまり深く考えずに始めたものの、今では私の中でかなり重要な位置にあります。合計すればSS全部に近い容量を書いていて、よく続いているなあと自分でも思うけれど。

でも義務感とかは全然持っていない。SSにしろ、サイト運営全般にしろ、やっぱり根底にあるのは「自分がやりたいからやる」その気持ち。読み手を意識することも多いけれど、それは「いるから書かなければ」ではなく、「いてくれるから書きたい」なんですよね。

読者さんも義務で来たら駄目ですよ。畏まったり、重く感じたりもしないでね。読んでくれてありがとう。私を知ってくれてありがとう。改めて、本当に、そう感じています。


11月26日 1年前のこの日

ひとつの価値観の崩壊。好きだったものの表面しか見ていなかったということ。一部分しか知ることのできない場所にいたということ。

懐古趣味に浸る気はないし、今でもあの場所は好きだけど、ふとした隙に苦く思い出すのは、私が未練がましいからかな。

私は傍観者どころか部外者に過ぎなくて、蚊帳の外で心乱されてばかり。それが苦しくて、寂しかったんだなんて、勝手だよね。どれほど焦がれ、憧れても、手の届かない場所から動かなかったのは、他ならない自分なのに。


11月27日 パンフレット当選

どれくらいの人が応募したのかはわからないけど、ドラマCDの公演パンフレットが当たりました。インタビューがたくさん載っていて満足。特に脚本家と音響監督は表に出てくること少ないですからねえ。貴重です。

でもそれだけに、読みたいと思う人が読めるものであってほしい。実費取っても応募者全員にするとかさ。CD5枚も買わせておいて、抽選外れたらはい残念、ではあんまりじゃない?


あなたのこと、見ているから。ほんの一面に過ぎないけれど、私の眼に映るあなたを、見ているから。


11月28日 危機感

ようやくポケサク100万歩達成。はは、購入後5ヶ月も経ってやっとだよ。

さてと、ローテーションが不規則なためここ1週間連続出勤だったアルバイトも、やっと明日からお休み。彩色までいっていたのに、線画から描き直す羽目になったタロットのCGを進めたいところです。そっか、ユグドラシルってトネリコの樹なのか。


今頃になって反動が来つつある。まあ、予測していたからこそ、叶えてしまうのが怖かったんだけど。責任を取れなんて言わないけどね、あなたのせいなんだぞ。そう脅してみたくもなる、意地の悪い私です。


11月30日 また持病が

あまり冗談も言っていられないかも。まったく、危機意識を持ったのなら自衛策をとればいいものを。翻弄されてばかりでは、そのうち潰れてしまうよ。

モニターの向こうにだけ存在するあなたが消えた時から、悔いる日が来るのではないかと怖かった。一度知ってしまった以上、誤魔化しは効かないんだと怖かった。もう、この手をあなたの温もりに変えることはできない。

何も知らない子供だから、舞い上がっているだけ? 繰り返し呪文のように唱える願いは、一度叶った喜びを裏切る私の我が儘。