其の五:夕焼けの向こうに、幸せが見える?
さあ、幕間ショウも終わりようやく後半(笑)。
幕が上がるとそこは夕焼けの土手。下手には親方の家。庭には縁台がある。
土手の上の青年が吹くハーモニカの音色が淋しげに響いている。
家の中から親方が登場。庭で盆栽いじりをしたりしてみるが
どうもイライラしてうまくいかないらしく、すぐにハサミを置いてしまう。
そんなところへ、上手の土手のから親方の半纏を持ったマリアの登場。
土手を下りる時にそっとハーモニカを吹く青年に声を掛け、道をあけてもらって
そのまま土手を下りて親方の家へ。
帝劇に戻ってくれるように説得するが、親方はなかなか首をタテに振ってはくれない。
「逃げるの?」というマリアの言葉に「ちゃんと引継は済ませてきた。逃げてなんかいない」という親方。
そんなところに土手の上にチンピラが3人現れる。土手の上にいた青年からハーモニカをとりあげて
からかいはじめる。マリアが思わずそれを制止すると、チンピラたちが下りてくる。
親方が身体を張ってマリアを護ろうとするが、あっさりと投げ出されてしまう。
舞台中央に引き出されたマリアを見てチンピラは
「なかなかの上玉じゃねえか、いっしょに踊ろうぜ?」
と誘いにかかる。その誘いにマリアは不敵な笑みを浮かべて
「いいわよ」といいながらそっと上着のボタンをはずす。
男の一人の手を取り、一度くるくるとその胸の中にそして大きく離れた後
ターンしながら腰に隠したエンフィールドを取り出し、発射。
驚くチンピラたちに照準を合わせたままた微笑みを浮かべて、「踊りましょう」
というマリアは本当に怖くて、きれいで…まさにクワッサリーのマリアを垣間見せてくれました。
「踊るときはもっと笑顔で」なんて言っちゃうトコがまたいいですね。
チンピラを追い払った後に親方に「恥ずかしいとこ見せちゃゃったわね」と笑うマリアは
かわいかったですね。縁台に親方と並んで座り、語りかけるように歌い始める
「夕焼けの向こうに」は本当に感動しました。胸にしみましたね。
しかし、マリアに半纏を着せてもらえるなんて…親方うらやましいぞ(笑)。
幕間、上手から食べ過ぎた金田先生を介抱しながらサクラがやってくる。
途中、帽子にリバースしちゃったり大騒ぎ(笑)。そこに下手からカンナが登場。
どうしても役名を「小次郎」から「大次郎」に変えてもらいたいカンナと
語呂が悪いから絶対に変えられないという金田先生。
いつまでたっても平行線な二人に困ったさくらが提案したのは「中次郎」。
しかし、この論争で脚本をかかなければいけないことを思い出した金田先生を
なんとかしようとカンナは食事にさそう。もうお腹いっぱいという金田先生を
無理矢理、帝劇の食堂へと引っ張っていくカンナ。
ドタバタのうちに3人は下手へと退場。
幕があがると、そこはすみれの部屋。
秘密を知ったレニが今頃そのこを帝劇のみんなにいいふらして
いるのではないかと不安でしかたないところに、静かなノックの音が響く。
「すみれ、入るよ」と静かにドアが開いてレニが入ってくる。
すみれが言いにくそうに話しかけようとすると
レニは駆け寄ってきて慌ててすみれにイスをすすめる。
「大丈夫?まだ足、痛む?」
とあくまでも知らないフリをして、足をさすってあげたりする。
そんなレニにすみれがただ驚いていると
「でも、もう大丈夫だよ。」といいながらレニは上着の内ポケットから
一本のチューブをとりだす。
「これはドイツから取り寄せた新薬なんだ。」そう言いながら
チューブをすみれの手にしっかりと握らせる。
「これはね、どんなケガでも1日で直してくれる。いいね、すみれ。」
レニはすみれを見つめると大きく頷く。
これがめちゃくちゃかわいい(^^)
「じゃ、僕は行くよ。」
というレニだが部屋を出ていこうとして不意に立ち止まると
背中を向けたまま「このクスリを持っていくように言ったのはかえでさんだよ」
とそれだけ言って部屋を出ていく。
レニとかえでさんの想いを知ったすみれは大事そうにチューブを握りしめて
「必ず、直してみせますわ。」と呟く。
部屋の外で心配で見に来ていたかえでさんにレニが微笑んで頷いて見せて退場。
幕が静かに下りる。
まだ…ここなのか(^_^;) がんばったつもりなのに…