無題

お前は愛を語るには未熟すぎ 恋を夢見るには知りすぎた
俺はお前を護るには無力すぎ 力を求めるには脆すぎた


手を伸ばして 触れることができるものは
手を伸ばせば 壊すことができるもの

その身体は白磁の如く 我が手の内で砕け散る
その瞳は硝子の如く 我が手傷つけ紅涙流す


もう何も見ぬ 何も聴かぬ
怖くなどない 最早失うものなどないのだから

許せとは言わぬ 見ていてくれとも言えぬ
戻れぬ道ならいっそ都合がいい 振り返らなくて済むのだから


さあ勝負だ お前の意志を継ぐ者よ
俺の出した答えは この刃と共にある