祈り・忠誠・ただ一つの裏切り

貴女の為だけに、生きていたい。
何度、そのことだけを願ったか。
何度、そのことを貴女に告げたかったか。

だけど、僕は貴女と共に立ち去る事は出来なかった。
僕と同じように、僕に対してその思いを思ってくれた人がここに眠っているから。
貴女は決して、逃げることを勧めていたわけじゃなかった。
僕が、これ以上の重みに耐えられないことを一番知ってくれていたから。

貴女は、いつも僕のことだけを考えてくれる。
そんな君に僕が出来たのは、ただ君を傷つけることだけ。

それでもいつも、笑っていてくれた。
これが自分の選んだ道だと。

貴女だけは、僕の腕の中で幸せでいてくれる。
それだけを、願っていたのに。
願うことしかできなかったのに。

みんなの思いを助けられていても、僕の助けは救えないのですか?

どんな事があっても、貴女だけの血は流させたくはなかったのに。
貴女だけは、犠牲にしたくないのに。
僕だけが、貴女の盾になりたかったのに。

僕だけの…大切な救いの炎。
本当に、君だけのために僕は…生きていたかったよ。


つぶやき

 主人公だけではありません
ビクトール・フリック・主人公同じ心境かなぁと思っています。
アナベル・ノースウィンドウの彼女・オデッサ。幸せになって欲しかったなぁ…
[La mit tristezza]を聞いたときに思いついたものですが、あの詩は女性の歌ですね。
曲調がフラメンコ風なのもありますが。どうも男女というのは、その激情の出す方向と表し方に大きな差があるのかも知れません。…知れないのかな?